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「背中を刺された」…米国のサプライチェーン再編に参加した韓国に大きな試練
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「背中を刺された」…米国のサプライチェーン再編に参加した韓国に大きな試練

「韓国は米国のインフレ抑制法を『背中を刺された』ようなものと捉えるかもしれない」

 米国の「ブルームバーグ」ニュースは2日、米国のインフレ抑制法の発効により韓国が受けた衝撃を「裏切られた」という言葉で表現した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が5月に就任して以来、前任の文在寅(ムン・ジェイン)政権が維持してきた米中バランス外交路線をやめ、米国が進めてきたサプライチェーン再編の動きなどに積極的に応え、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」加盟や「チップ4」への参加など、相次いで難しい決断を下してきたが、結果的に失敗した格好になったためだ。同法により米国市場シェアの10%台への引き上げを目指していた現代・起亜自動車が補助金対象から外され、先に作られた「CHIPS法」によって、米国に大規模な投資計画を明らかにしたサムスンとハイニックスが補助金の恩恵を受けるためには中国に新規投資や生産ラインのアップグレードができなくなった。同メディアとのインタビューに応じたチョン・ソンフン元統一研究院長も、韓国が感じる戸惑いを「背中を刺された」と表現し、「米国に多額の投資をしたため、韓国政府や国民は市場アプローチ性という側面でその分の利益を得られると予想していた」と述べた。

 韓国にとって今回の事態は文字通り「背後から切られたようなもの」と言える。米中戦略競争が始まり、韓国が初めて向き合うことになった「事件」はTHAAD(高高度防衛ミサイル)事態だった。2016年に在韓米軍にTHAADを配備するという問題が浮上した後、韓中関係は急速に悪化した。中国は韓国に「韓限令」という名の経済報復を加えた。しかし、予想できる軋轢だった。朝鮮半島にTHAADが配備されたことで、自国の安全保障上の利益が侵害されたと判断した中国が「報復」したためだ。THAAD配備が本当に韓国にとって得なのかどうかについては様々な意見があるが、自ら下した判断に対する「代償」を払うことであり、覚悟して臨むことができた。

 2021年1月、ジョー・バイデン政権が発足してからは、対立の中心軸がTHAADのような「伝統的な安全保障」から「経済安全保障」に変わった。「価値観外交」を掲げる尹錫悦政権はこれに積極的に参加した。企業も価値を共有する国家を中心とした「サプライチェーンの再編」作業に合わせ、米国に対する大規模投資計画を次々と発表した。しかし、自国を優先視する米国の立法によって、善意を持って下した判断が仇になったわけだ。

 問題は、中国との戦略競争を名分に掲げ、半導体や電気自動車(EV)などを自国内で生産するという米国の決心があまりにも強く、これを変えるのは容易ではない点だ。外交部のイ・ドフン第2次官は先月30日、国会外交統一委員会で「現代自動車の米国ジョージア州工場が2025年に完工するまで同法を猶予できないかを米国に集中的に要求すべき」という与党「国民の力」のチョン・ジンソク議員の指摘に「2025年までに一種の暫定的措置でも設けることを提案した」と述べた。韓国政府がこれを初めて求めた時点は、米議会で法が最終的に成立(先月16日)する前で、韓国の要求は事実上受け入れられなかった。

 政府は合同代表団の米国訪問(先月29~31日)やキム・ソンハン国家安保室長の韓米日安全保障担当高官による協議(1日)などを通じて、米国に韓国の立場を説明しているが、米国から明確な答えは得られなかったという。キム室長は協議後、インフレ抑制法が韓国製EVを米国の補助金対象から除外したことについて、ジェイク・サリバン補佐官が「皆家に帰ってインフレ抑制法を熟読してみよう」と述べたと伝えた。さらにサリバン補佐官が「インフレ抑制法はEVに限ったものではなく、自由主義国家間のサプライチェーン問題の再確立に対する戦略的方向性が含まれている側面がある」という説明を加えたという。米中間の戦略摩擦に対抗するために作られた法を、韓国の利害のために修正することは難しいという意味とみられる。ホワイトハウスも同日、協議に関する資料を発表したが、韓国が強調した「インフレ抑制法などに対する懸念」には言及しなかった。8~9日、ロサンゼルスで開かれるIPEF閣僚級会議に参加するアン・ドックン産業通商資源部通商交渉本部長も会議後、ワシントンを訪問し、米政府の高官級とEV補助金問題を追加協議する予定だが、劇的な変化を期待するのは難しい状況だ。

 このような中、バイデン大統領は自国で半導体やバッテリーなどを生産するという意志を強調した。バイデン大統領は1日、資料を発表し、米国の相次ぐ立法で今週(8月28~9月3日)だけマイクロンやトヨタ、ホンダなどが米国に新たな大規模投資計画を発表したとし、「私たちは将来、EV、半導体チップ、光学繊維や他の主な部品をここ米国で生産する」と述べた。
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