【ゆっくり解説】なぜ飛べるのか？前進翼と可変翼について、翼の進化の歴史

2025年8月9日 2025年8月9日

10万グラムの人

前進翼は、翼が付け根から前方へ向かう形状の翼です。空気の流れが翼の付け根に集まるため、失速が翼端ではなく付け根から穏やかに始まり、非常に高い安全性と機動性を発揮できると期待されました。しかし、飛行中に翼が揚力でしなると、その変形がさらに揚力を増やす悪循環を生み、最終的に翼が空中分解する「空力弾性発散」という致命的な欠点を抱えています。この対策には極めて頑丈で高コストな構造が必要なため、実験機は作られたものの実用化には至っていません。可変翼は、飛行中に翼の後退角を変えることで、「低速性能」と「高速性能」を両立させる翼です。翼を広げれば短い滑走路での離着陸が可能になり、翼をたためば超音速での高速飛行が容易になります。F-14トムキャット戦闘機などが代表例です。この万能性と引き換えに、翼を動かす機構が非常に重く、複雑で、高価であるという大きな欠点があります。また、ステルス性にも不利です。エンジンや飛行制御技術の進化により、この機構に頼らなくても高性能な機体が作れるようになったため、現代では採用されなくなりました。

0:00　あいさつ
0:42　概要
1:51　ジェット機の課題
4:20　直線翼と後退翼の課題
7:38　前進翼について
11:50　可変翼について

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