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米日「2ナノ」次世代半導体の共同開発に合意…韓国にも参加圧力
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b9fe9dbb3d96f2da0ff8fa1e7580489d03e3973
[チップ4-米日半導体協力加速化] 米議会「CHIPS法」可決 生産施設などに補助金527億ドル支給 日本、10年間予算1兆円投入 米国、中国を牽制する「チップ4」具体化 世界1位ファウンドリー、台湾のTSMC 有事の際、半導体の調達が滞ることを懸念 製造施設の国外移転狙うか
米国と日本政府が、新しい研究組織を立ち上げて量子コンピューターなどに使われる次世代半導体量産のための共同研究を始めることで合意し、韓国と台湾にも参加を求めた。米議会はこれに先立ち、自国に投資する両国の半導体企業に巨額の補助金支援と税額控除を行うための「CHIPS法」を可決した。米国が韓国にも参加を要請したとされる中国牽制のための半導体協力体「チップ4」(韓米日台)の具体的内容が少しずつ姿を現わしている。
米日の外務・経済閣僚は29日(現地時間)、米ワシントンで初の経済政策協議委員会(経済版2プラス2)を開き、中国を牽制するために、半導体など戦略的部門のサプライチェーンを強化していくことで合意した。両国は会議後の共同声明で「戦略的部門、特に半導体、電池、重要鉱物に対するサプライチェーンの強靱性を促進するための取り組みを前進させることを追求する」と明らかにした。アントニー・ブリンケン米国務長官はその後の記者会見で「世界1位と3位の経済大国として、ルールに基づく経済を守るために協力することは非常に重要だ」と強調した。
米日が両国の協力すべき最も重要な分野として挙げたのは「次世代半導体」の開発だった。ジーナ・レモンド米商務長官は記者会見で、「半導体は経済と国家安保の要。先端半導体に関する協力について素晴らしい議論ができた」とし、「両国の競争力を高めると同時に、重要な技術に対する特定国家への依存を減らせる」と述べた。萩生田光一経済産業相も「日米は半導体の研究開発、人材育成、サプライチェーン強化などで協力を進める方針」だと強調した。
日本は素早く動いている。経済産業省は会談翌日の30日、資料を発表し、新しい研究開発組織を作るために「文部科学省をはじめとする関係省庁や産業界などと議論しながら詳細を検討していく」方針を示した。同研究開発組織には、日本からは産業技術総合研究所や理化学研究所など、国策研究機関と国立大学が多数参加する予定だ。米国立半導体技術センター(NSTC)も設備や専門家らを送り、支援に乗り出すという。
米日政府はこのため、半導体分野に大規模な財政を投入する計画だ。日本は10年間の研究開発費として1兆円を予定している。経済産業省は今年6月、これとは別に、熊本県に投資を決定した世界1位のファウンドリー企業のTSMCのため、初期設備投資額の86億ドル(約1兆1000億円)の約半分の最大4760億円を補助することを最終決定した。米国でも27日に上院、28日には下院で、半導体生産施設の新設と拡大などに527億ドルの補助金を支援する「CHIPS法」が可決された。
米日が研究開発に乗り出すのは、「非メモリー半導体」分野である幅が2ナノ(ナノメートルは10億分の1メートル)の半導体だ。半導体は回路幅が狭いほど性能が良く、電力消費も少ない。非メモリー半導体分野では米国が設計と開発分野をリードしており、日本は製造装置と材料に強みを持っている。生産能力(製造)は台湾が1位で、韓国が後を追っている。市場調査会社ICインサイツの資料によれば、携帯電話などに使われる10ナノ未満の半導体生産能力のシェアは、2020年基準で台湾が62.8%、韓国が37.2%だった。読売新聞は「日米は(中国の侵攻による)台湾有事の際、半導体の調達に支障が生じることに大きな危機感を抱いている」とし、「両国が互いに補完して、先端製品を開発することで台湾依存からの脱却を狙う」と報じた。TSMCの製造施設を、地政学的に危険な台湾から外に移そうとする思惑がうかがえる。このため、最先端技術の共同開発や投資誘致のための財政支援などのカードを取り出したわけだ。
この挑戦が成功するためには、「半導体大国」の韓国と台湾の協力が欠かせない。萩生田経済産業相は記者会見で、新しい研究組織について「日米、さらに有志国の研究をリードしていく」と述べた。日本経済新聞も、日本政府が「台湾のほか韓国も含めて価値観を共有する国・地域の企業に協力を働き掛ける」と報じた。米国半導体産業協会(SIA)の資料によれば、全体半導体の生産能力は台湾22%、韓国21%で最も高い水準にあり、日本(15%)と中国(15%)、米国(12%)の順だ。
日米、最先端半導体で技術協力 2ナノなど開発・量産
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA284KK0Y2A420C2000000/
日米両政府は最先端の半導体の供給網(サプライチェーン)構築で協力する。回路線幅が2ナノ(ナノは10億分の1)メートルより進んだ先端分野での協力や、中国を念頭に置いた技術流出防止の枠組みづくりなどで近く合意する。米中対立を背景に半導体は経済安全保障上の重要性が高まっている。台湾勢などに調達を依存する危機感から日米連携を強化する。
日本は半導体メーカーそのものの競争力は下がったが、半導体製造装置に加え、シリコンウエハーや回路形成に使うレジスト(感光剤)、半導体表面の研磨剤といった要素技術ではなお強みを持つ。
台湾積体電路製造(TSMC)が開発や量産準備で先行する2ナノ品は、米IBMも2021年に試作に成功した。日本では産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で東京エレクトロンやキヤノンといった装置メーカーが先端ライン向けの製造技術を開発し、IBMなども参加している。
日米の技術や素材を生かし、安定して最先端の半導体を生産、調達できる体制を整える。
萩生田光一経済産業相が2日から訪米してレモンド商務長官と会談し、半導体分野の協力推進に向けた文書を公表する。先端分野の実用化や量産を視野に入れた協力が柱で、現在の最先端より2世代先の「2ナノ品」以降の技術や、米インテルが持つ「チップレット」の手法が候補になる。
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