#韓国 #ニュース #ゆっくり解説
 岸田文雄首相は19日、韓国の朴振外相と首相官邸で約20分間会談した。首相は最大の懸案となっている元徴用工問題について「解決に引き続き尽力いただきたい」と述べ、受け入れ可能な回答を韓国側が用意するよう求めた。一方、韓国側からは日本の譲歩を求める声が上がるなど、双方の溝が改めて浮き彫りとなった。

 聯合ニュースによると、朴氏は会談で、日本企業の差し押さえ資産の現金化が行われる前に解決を目指す考えを重ねて示し、「日本側も誠意をもって応えてくれることを期待する」と述べたという。この後、松野博一官房長官は記者会見で「特段突っ込んだやりとりは行われなかった」と説明した。
 そもそも日本側は元徴用工問題で受け入れ可能な具体策が示されていないとして、首相との会談には慎重だった。朴氏が18日の日韓外相会談で「現金化」前の解決に言及したことや、首相との面会目的が故安倍晋三元首相への尹錫悦大統領の弔意を伝えることだったことから、日本側も「会わない理由がない」と応じた。
 ただ、日本側の対応は淡々としたものだった。会談の冒頭が報道陣に公開されることはなく、首相は終了後、記者団に安倍氏への弔意をめぐるやりとりを紹介しただけで、記者団の質問を受け付けず立ち去った。
 松野氏も会見で「弔意を伝えたいとの意向を受けて短時間実施されたものだ」と強調。「仮に現金化に至ることになれば日韓関係にとって深刻な状況を招く」とけん制することを忘れなかった。
 一方、朴氏からは、日本側が軟化することに期待がにじんだ。首相との会談や日韓議員連盟幹部との会合で繰り返したのは日本側の「誠意」。朴氏は尹大統領による「今回の訪日をきっかけに両国関係改善と復元の流れがより加速化できると期待する」との首相宛てメッセージを記者団に公表。日本側の対応を促した。
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